みつけられない楽しみと禁酒の努力

 数年前から自分の体のどこかに「鬱」というややこしい物を住み着かせてしまいました。
仕事は休職・復職を繰り返しながらしばらく続けていました。しかし「休職期限」が切れてしまうという事になったので、今年の春に自主的に「早期退職」をしました。
 収入は結婚前から小学校教師をしている妻に任せて何とかしています。私は「専業主夫」として、早朝の「娘の弁当作り」から「買い物」「夕食作りや片づけ」と、一日中家事を請け負って妻の負担を減らしている毎日です。
 ところがいつからか、昼間に「缶チューハイ」を飲むという習慣がついてしまいました。今までは職場があり、時分から話しかける事は少なくても「仕事仲間」がおり、しんどい仕事の中でも冗談を言い合ったり、思いっきり意見をぶつけあったりすることができました。しかし「専業主夫」となってしまうと、昼間は全く話相手のいない状況が続くのです。
かつて西島俊彦さんが主夫役になったCMがありましたが、娘達ももう大きくなり、お迎えや見送りでほかのお母さんたちと接する機会もなく、ほとんど「引きこもり状態」のようになっています。
 そんな中楽しみを見つけようとついついお酒を飲んでコンピューターに向かってこうやって文章を書いている毎日になってしまいました。
 「鬱」とお酒はだめなのだということ、特に「昼間に飲む」という事がよくないとは医者に言われたこともあります。しかし、これ以外に楽しみを見つける事も出来ずらいるという状態なのです。
 このままではいけないと思い、「禁酒」を何度かやろうとしたこともありました。医者に相談もしました。医者は
「そんな時はちょっと出かけて喫茶店にでも入って珈琲でも飲んでみたら・・・」
というようなことも言っていました。しかし、一人で喫茶店に入っても別に楽しいこともなく、外に出るとついついお金を使いがちになってしまいます。退職して収入のない事が自分にとっては一番の心配事だったので、今でも「交際費」的な自分のためのお金を使うという事にはどうも抵抗があり、喫茶店など程遠い場所にあるように思えています。
 そこで、量を決めてお酒を買ってきて「それ以上は使わない」という約束を自分の中で決め、毎日飲んでいるというのが現実です。
 もちろん、それが健康によくない事はよく分かっているのですが、ほかの楽しみが見つけられない以上、これに頼るしかないというのが今の自分の状態です。せめて話し相手でもいてくれれば飲まずにいられると思うのです。その証拠に妻が休みの土曜・日曜はお酒を買いに行こうとは全然思わないのが現実です。
 なにか楽しい事、それもお金を使わずに楽しめる事が見つかればすぐにでも「お酒を辞める」事はできると自分では思っています。しかし今のところそんな都合のいいものは見つからないし、「飲んで暴れて家族に迷惑をかける」事もなく毎日やるべきことはきちんとできるだけの量に抑えて飲んでいるので、「夜に飲む分を少し早目に飲んでいるだけ」と自分勝手な理由をつけて「禁酒」ができずにいます。
 一度ついてしまった習慣というものは、中々自分一人では直せない物であり、本当に何とかしようと思うのなら、よほど強い意志がないと無理だというのが今の自分の考えです。
「人に迷惑をかけていないのなら、少しくらい許してよ」と思わず言いたくなる、寂しい毎日なのです。